笑顔の法則 ②
<テーマ> 小さな笑顔が大きなパワーを持っている
「笑顔アメニティ研究所」を設立した30年数年前は、マスコミは僕を変人扱いしていました。
人気番組だった「笑っていいとも」「アッコにおまかせ」「たけしのテレビタックル」などでも、「この人の職業なんでしょう?」という質問から始まりました。最初に取り上げてくれたのは毎日新聞です。私の活動を紹介していただき一面にも載りました。嬉しかったです。その後に、CS活動が企業研修のブームにもなり、一般のニュースにも取り上げられ、テレビ番組や読売、朝日新聞など笑顔のチカラがマスコミに広がっていきました。
海外メディアのイギリスBBC放送が2回、ロサンゼルスタイムスも一面で紹介しました。
その映像がさらに世界に広がり、中国の新幹線のCAが割り箸を加えて、教育を受けている写真は衝撃的でした。海外の顔を研究する学者が、日本の割り箸を歯にくわえた表情を使い、顔の筋肉の動きを分析していました。国内外、他分野でもいろいろ使われました。
外人記者の質問は「日本では、何で笑顔がビジネスになるの?」という少々馬鹿にしている感じがしました。
どんな時でも真面目に日本の文化の特異性を説明しました。「日本語にはスマイルとラフというような違いがない。日本の歴史は、笑いの文化である」など。私のこだわり「笑顔をコミュニケーションの技術として、日本の笑いを進化させたい。日本を世界のオアシスに・・」と熱く語り続けました。
残念なのは、コメントはカットされ、面白い具体的な手法だけが一人歩きしました。
わりばしストレッチやハッピー体操などのリアクションが大ヒットして、世界に広がりました。
今、SNSの時代になり、情報が一瞬で世界に拡散される世の中になりました。
Googleで「笑顔」のキーワードを検索しても2〜3億という想像もつかなかった広がりがあります。笑顔というキーワードは、辞書に出てくる「笑みを含んだ笑い顔」という意味合いから、「ありがとう」や「感謝」に匹敵するくらい日本人から愛される言葉になりました。しかし、コロナ禍で日本人の悪しき習慣が戻ってしまったようです。手で口元を隠す習慣は、手がマスクになり、顔を隠す習慣が戻ってしまいました。日本人は、海外のようにマスクは外せないと思います。いまこそ、日本人に自分では見えない自分の顔は、人の為にあるんだと伝えたい。
必要以上のマスク着用は、人間らしさを失わせます。
笑顔をビジネスにした創業期、笑顔ごときにお金をかけるのはバカバカしいと多くの人が思っていました。
今でも本音はそうかもしれません。しかし、水も昔はお金をかけて買おうという習慣がありませんでした。買おうなどと誰も思わなかったです。水や空気のような大切なものほどその重要性に気づきません。笑顔は水と同じように必要な人間関係の潤滑油です。
その潤滑油によって、個人の意識や感情が他人にスムーズに流れていくのです。
例えば、プロ野球の場合、いくらお金をかけて良い選手を集めても、打線がつながらないと勝てません。
10安打したチームが2安打のチームに負けてしまうこともあります。
「打」の線とはよくぞ言ったものです。
サッカーでも同じで、個人技が際立ったいても、パスが通らなければ得点は挙げられません。
親子関係、友人関係、ビジネス関係なども、そこに関わる人それぞれの意識や感情がスムーズに流れるからうまくいくのです。
要するに打線のつながりやパスと同じことです。素直な感情や意識は新鮮な水と同じで、流れていないといつか腐ってしまうのです。
マスクをしていたら自然な感情は伝わりません。
笑顔が同調圧力や忖度で伝わるとしたら異常なことだと思います。
この笑顔道のエッセーでは、私が失敗しながらビジネスの世界で学んだ笑顔に関する知恵と知識を、大胆な仮説も含めていろいろ紹介していきます。
何にでも言えることですが、大切なのは具体的に実行することです。実行するからこそ、わかりやすい結果が生じてきます。
この笑顔道のエッセーを読んで、笑顔が大切だと感じたら、すぐに口角を上げて笑顔を作ってみたくささい。
笑顔パワーの素晴らしさを一緒に楽しみましょう。