「笑顔」は笑いが進化したもの
笑顔ビジネスを立ち上げる時にこだわったのは、言葉の定義です。あれから40年近くなります。
日本語には「笑い」と「笑顔」の違いがありません。
たくさん使われている言葉なのに不思議でした。笑ってごまかすのは得意です。
辞書を調べてみました。広辞苑でも「笑顔とは笑い顔、笑みを含んだ顔」しか出ていません。スマイルとラフのような明確な違いがない。笑いが進化して笑顔が生まれ、日本人のすべての精神世界の根底に流れる笑いの文化。
笑いのルーツを調べてみました。
笑いに何で「お」をつけて、お笑い。そのルーツは、神様との約束事。「おはらい」が変化してお笑いになったという説もあります。天照大神の有名な神話で、岩戸の前でセミヌードで踊る天鈿女命(アメノウズメノミコト)の姿。笑いの原点らしい。天鈿女命の旦那が猿田彦大神、御導きの神様の名前を商売に使っちゃう、実に寛容なお国柄ですね。
テレビ番組などに目を向ければ、善しにつけ悪しきにつけ、さまざまな「笑い」は毎日何回も発信されています。
「笑う門には福来たる」とよく言われていますが、笑いが氾濫しているわりには、世の中に多くの福がやってきているようには感じられません。
笑いは、「おかしい」「楽しい」など、個人的な感情が形になって表れたもの。
つまり、たった一人でも笑うことはできます。それに対して、笑顔は他人との正常なコミュニケーションをおこなうための、極めて対外的な役割を担っています。
赤ちゃんは、誰から教わることもなく、最高に素敵な笑顔を作ります。
赤ちゃんの笑顔は、心の中の無垢な喜びの感情のお発露であり、その意味では笑いと同様に個人レベルのものに違いはない。しかし、まだ言葉をしゃべれない赤ちゃんは、笑顔という対外的な表現を通して、喜びの感情を母親に伝えていく。笑顔は人間が生まれながらに持っている、コミュニケーション本能の一つではないだろうか。
赤ちゃんは泣きながら生まれてくる。
もしも、赤ちゃんに笑顔がまったくなく、黙っているか、延々と泣き続けていたらどうなってしまうかを考えてみた。母親は、自分の子を育てる意欲を失い、愛情を注がなくなってしまうかもしれません。
赤ちゃんの笑顔を受けると、母親も同時に幸せな気持ちが湧いてくる。
赤ちゃんと母親の関係のみならず、笑顔とは、嬉しかったり楽しかったり、あるいは喜んでいる心を、言葉を介在しないで人から人へとダイレクトに伝達し、共有するための手段でもあります。このように考えると、たかが笑顔などとバカにすることはできなくなります。
「笑顔」は笑いが進化したもの
笑いは本能。一人でも笑えます。
笑顔は、相手がいるから笑顔が生まれます。
笑いの中の「社交的な笑い」考えます。
コミュニケーションの技術として笑顔を学びます。
最大の技術はアイコンタクトにあり。
笑顔には、素晴らしいチカラが隠されています。