「笑顔」でなければ儲からない
そして現在の日本。長引く不況にどの企業もあえいでいます。だけど全部が全部だめなわけではありません。「なんであそこだけ売上がいいの?」と羨ましくなるような元気の良い企業があるのも事実です。
そういう元気な企業のスタッフはみんな笑顔で仕事をしています。
そういうと「儲かっていれば笑顔になるのは当然じゃないか」という声があちこちから聞こえてきそうです。確かにそうです。ごもっとも。
しかし、実際は違います。儲かればだれでもが笑顔に慣れるのは間違いないけど、その前に「笑顔でなければ儲からない」と言うことを忘れちゃいけません。
コロナ前にこんな事例がありました。
ある女性ファッションブランドが地方都市のファッションビルに出店したものの、売れ行きが低迷していました。1日の購入客が10名を下回るどころか売上ゼロの日もでてしまい、フロア20店舗の中で最下位を争う始末で、ほとんど危機的状況に陥っていたと言っていいでしょう。
打開策として「笑顔」を導入することにしました。販売スタッフがお店の前面に出て作業しながらお客さまを笑顔で迎え入れるなど、ウエルカムの体制を整えました。意識して自然な笑顔の出会いを作りました。とにかく「笑顔」を徹底した接客に切り替えました。
すぐにすごい変化が起こりました。あれほど閑古鳥が鳴いていたお店が、お客さまでにぎわい始めたのです。入店客数が二倍、そして売上はなんと、フロアー二位という成績を誇るまでに!
いま、ショッピングセンターのモデル店舗になっているルミネも長年指導してきましたが、その成功の秘密は「笑顔」です。1アクション1ドラマ、店頭の笑顔の出会いが入店客数を高めます。
ウエルカムゾーンを演出し、お客さまに早く気づいて、ゆっくりアプローチ。笑顔が儲かるんです。
この事例でもわかるように、儲かるためには笑顔が先なんです。儲けは笑顔にもれなくついているオマケです。ですから、今、売上が伸びていない状況にもかかわらず、「儲かったら笑顔になるよ」「嬉しくないのに笑顔になんかなれない」なんて思い込んでいる人は、永遠に笑顔になれる日は来ない。
さらに飲食業では、タブレットで注文し、ロボットが配膳するシステムが進んでいます。レジも無人のセルフ化。スタッフは、マスクで顔を隠すのが当たり前。マスクして笑顔を伝えるのは難しいです。その瞬間、笑顔が伝わったとしても、マスクをとると別人としかお客さまには伝わりません。