笑顔の楽校46
ケース26 パスタ専門店
「お客様目線」を強化して笑顔を生み出そう
味は抜群! でも「おいしい」だけでは、この先ちょっと心配……。「お客様目線」で、清潔なお店とお客様の笑顔を呼び込みましょう。
このお店は、パスタという食のジャンルを日本でいち早く定着させた老舗。僕は若い頃からの大ファンで、今も年に数回は足を運んでいます。和皿、お箸で気取らずにいただけるメニューは、どれも本当においしくて、そしてなぜかホッとします。パスタというよりもスパゲティという感じのどこか懐かしい味が、どの店舗でもきちんと維持されているので、ファンとしては安心ですし、とてもうれしいことです。
では、早速リサーチです。
客席数的には大型店舗といっていいでしょう。店内はジャズのB.G.Mが静かに流れ、床、椅子等が黒でまとめられた落ち着いた雰囲気。ランチタイムのピークが過ぎた時間帯ですが、ほぼ満席。フロアスタッフがきびきびと動き、とてもいい対応です。オープンキッチンでは一生懸命作っている様子が見えます。ガーリックやトマト、チーズ等なんともいい香りが漂ってくるなか、できあがりが本当に待ち遠しい……。
お客様から“見られている”ことを
意識する
味は期待どおりでした。
が、そのほかの面では、改善点がたくさん見えてきました。
【整理整頓、クリーン面】
◯看板のライトが点滅している
◯入口のマットや通路面ガラスの汚れが目立つ
◯ウィンドウ内のPOPが乱れている
◯レジカウンターの周辺に、水や食器類、タイムカードまで置いている
◯什器に、手垢等の汚れが目立つ
◯グラスの汚れと水のクオリティが気になる
実は、極めつけがありました。僕が通された席は、通路側に面した一番奥の角。オーダーを終え、ふと、ウィンドウ側に目を向けると、あろうことか、長期間雨ざらしになっていたかのように汚い、プラスチックケースと発砲スチロール箱が置かれています。しかもご丁寧に上からライトで照らして……。
通路側からも一目瞭然のこの位置、普通なら花を飾るなど、“見せる”場所であるべきです。よりによって、なぜこんなものが置かれているのでしょうか?
【接客面】
◯感じは悪くないが、義務的に見える。全く楽しそうじゃない
◯全員下を向いて黙々と作業に没頭
◯お客様とのアイコンタクトや笑顔なし
実はこれらの原因、すべて「お客様目線」の欠如によるものです。
おいしいだけでよかった時代は昔話。+αの価値(バリュー)を生み出すためには、お客様のほうにもっと心と目を向けないと成り立っていきません。
そもそもお店はなんのためにお料理を提供しているのか? 「おいしい」というお客様の笑顔のためです。
そして笑顔は、「お客様目線」から生まれます。まずは、お客様の立場から、徹底的にクリーンアップしましょう。
【コミュニケーションUPのポイント】
1「気づく」訓練を
お客様になったつもりで、マットやウィンドウ、看板、POPなど、普段見慣れているものがあるべき状態になっているか、チェック。「気づく」訓練になります。
2徹底的にクリーンアップ!
什器類、グラス類を徹底的に磨き上げましょう。曜日ごとに決めておこなうとやりやすいですね。
3よけいなものは見せない
レジカウンターの上はすっきりとさせましょう。「見せるものはきれいに、よけいなものは見せない」が鉄則。
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