笑顔の楽校
門川義彦
サイクル ショップ
笑顔の楽校 52
ケース33 サイクルショップ
大型SC内の自転車屋さんは、商品数が多く、修理スペースも充分な広さ。地元のお客様にとっては身近で気軽、楽しいお店です。
時代は“エコ”。地球にいちばん優しい乗り物・自転車が人気です。そんなブームを受けてか、1F入り口すぐに位置する大型サイクルショップ。外も含めると70坪くらいはありそうです。
第一印象は、商品の圧倒的ボリューム感! お手頃価格を中心に非常に充実した品揃えです。店頭に提案商品として電動自転車が、そしていちばん見やすい場所には子供用、婦人用(通称ママチャリ)。奥は高額商品エリアです。
スタッフは20代とおぼしき男性5人、女性1人。「いらっしゃいませ」「何かおさがしですか?」「何かあったらお声かけてください」。グリーンのユニフォーム同様、爽やかな対応です。購入車を店外に運んであげて、お客様と会話しています。最後にペコンとおじぎしてお見送りしている姿も好印象。こうしたスタッフの誠実な対応に加え、「空気入れ無料」という気軽さは、来店しやすさに直結します。SCは地元密着、リピーターあってこそ。こういうお店はとてもいいと思います。
整理整頓で「見える化」、さらには「見せる化」、「笑顔化」に
でも、もっとお客様と自転車の楽しい世界観を共有するための工夫ができそうです。ポイントは「整理整頓」です。
❶整理整頓で「見える化」を図る
◎カタログやチラシがあちらこちらに置かれている(しかもちょっと乱雑)。
◎ポスター等掲示物が曲がっている。ポスターの上に張り紙が重ねられている場合もあり(しかもめくれて汚い)。
◎工具や掃除用具が通路に置きっぱなし。
◎いちばん奥壁面の上部に積んであるダンボールが丸見え。
これらはすべて、パッと見の「ガチャガチャ感」につながり、商品の価値を下げてしまいます。「お客様目線」「見られている」ということを意識して、徹底的に整理整頓を心がけましょう。
❷修理シーンを「見せる化」する
入り口近くの修理スペースで、男性スタッフが通路にお尻を向けて黙々と作業……もったいないですね。せっかくのいいシーン、技術やこだわりを「ライブ感」たっぷりにお客様に見せてしまいましょう。そうすれば、地味な修理スペースから、ワクワクする「コミュニケーションスペース」に早変わり。
❶ですっきり整理整頓されると、販売スタッフもお客さまも笑顔が出やすくなります。さらに❷のコミュニケーションでお客様との距離が近づき、もっと笑顔が出やすくなります。
特に❶の整理整頓は、自転車の楽しさやこだわり、世界観を伝えやすくするうえでとても重要です。
商品をただ羅列しただけでは、「パンクしました。修理してください」「子供用の安い自転車が欲しいんですけど」といったお客様しか来店しなくなりますし、ネットに完敗してしまいます。
このショップは感じのいい若者スタッフがそろっているので、整理整頓するだけでも見違えるくらいよくなるはずです。
【コミュニケーションUPのポイント】
どんなお客様もスムーズに通れるよう、配慮が必要。奥まで入りやすくなれば高額商品コーナーも見やすくなります。
レジカウンターはコミュニケーションスペース。お客様に関係のないものは見せない、見せるものはきれいに。
修理中、下ばかり見ないでたまにはお客様と会話も。もちろん、アイコンタクト+スマイルが原則!