笑顔の楽校 49
ケース30 サプリメント・化粧品ショップ
“補充”しながら“接客”も意識しましょう
品揃えが勝負のジャンルがゆえに商品補充は「生命線」。でも、補充に没頭しすぎてお客様が目に入らないのは本末転倒です。
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今回のリサーチ店はSCの1F、インフォメーションセンターやエスカレーター、イベント広場に面した一等地です。
約20坪の店内には、韓国コスメをはじめとする国内外の化粧品や健康食品、雑貨等の人気アイテムがぎっしり。TVや雑誌、ネットで話題の新商品をいち早く取り揃えた“旬”の雰囲気を楽しむかのように、お客様がゆったりと回遊しています。平日午前中にしては入りがいいほうです。
タレントの「クチコミ」が書かれたPOPがあちらこちらにあり、トライアル商品もたくさんあります。自由に見て、触って、楽しく試して、選べる、セルフセレクションのお店です。
販売スタッフは、レジカウンターと商品補充に1人ずつという少なさですが、にぎやかなPOPとたくさんのトライアル商品が「商品説明」のかわりとなって、人手不足を補っているのかもしれません。
商品補充に気をとられて、お客様が目に入らない
このお店のよさである「豊富な品揃え」のためには、「商品補充」が重要です。僕がリサーチしていたときも、約1時間、販売スタッフは通路側でずっと補充作業をしていました。その様子を見ていて、気になった点を挙げてみます。
❶お客様にお尻を向けっぱなしはNG
一等地の立地で、お客様がひっきりなしに通り、立ち止まる人も決して少なくありません。でも、そのすぐ近くで補充作業しているスタッフは、お客様にお尻を向けっぱなしで「いらっしゃいませ」もまったくなし。活気が感じられないだけでなく、お客様からすると、無視された感じを受けるでしょう。
通路側で商品棚に向かって補充作業をしていると、お客様がいらしても視界に入りづらくなります。補充しながら接客も意識するには、入口側に足をやや開いてみてください。すると体も開き、お客様に気づきやすくなります。そして、お客様がいらしたら、アイコンタクトしながら笑顔を向ける。これは鉄則です。
❷補充するのは何のため?
お客様に目もくれず、せっせと補充作業——真面目に頑張るのはよいことですが、これでは本末転倒です。補充やおたたみなど、お店での作業はすべて、お客様に喜んでいただくという「目的」のための「手段」です。お客様の存在に気づけないのは、手段が目的になってしまっているということ。そうすると、いくら頑張って補充してもお客様に喜んでいただくのは難しくなります。
❸放ったらかしでは売れない
入店客が多いわりに購入客が少ないのが気になります。理由は、ほとんど声かけがないからです。
お客様を放ったらかしにすると、「入りやすく出やすい」お店になってしまいます。放ったらかしとセルフセレクションは、意味が違いますよ。
【コミュニケーションUPのポイント】
1 補充も「見られている」
よほど重いのか、女性スタッフがダンボールを引きずりながら作業していました。なんだか辛そうな雰囲気……。常に「見られている」ことを意識して、しぐさや表情にも留意するといいですね。
2 心が開けばサイフも開く
店頭にトライアルコーナーを設け、アイコンタクト&笑顔で、お客様と楽しくコミュニケーションしましょう。
3 見やすく選びやすく陳列
お客様に笑顔になってもらうには、どう陳列するかも大事な要素。テーマを絞り込み、1什器1アイテム1テーストで、見やすく、選びやすく。