笑顔の楽校 50
ケース31 アイスクリームショップ
子どもも大人も一緒に、気軽に気さくに、おいしさが楽しめるお店。整理整頓を意識すると、よりおいしさが伝わりやすくなりますよ。
まずは、美味しさの障害を取り除くこと。
++++++++++++
商品陳列、販売スタッフの制服、内装……カラフルさがひときわ目立つ、まるでメルヘンのなかのお店のような楽しい雰囲気にあふれたアイスクリーム専門店。本物のおいしさと定評のある、そのバラエティ豊かなラインアップには、子どもから大人までワクワク幸せな気持ちになってしまいます。僕もついついショーケースの前に並んでしまいました。
お店の前のテーブルでいただきながら、しばらく眺めていると、お客様はひっきりなし。お友だち同士、親子、カップル…幅広い年齢層。アイスを選んでいるとき、受取ったとき、みんな本当にうれしそう。見ている側もなんだか平和な気分に包まれます。
さて、接客の様子を見てみましょう。
平日の午後3時。販売スタッフは4人です。カウンターで注文を受けた人がつくる、マンツーマン接客です。素晴らしいのは、スタッフ全員がのびのびと自分らしい笑顔が出ていることです。アイコンタクトも自然で、フレンドリーな印象がアップします。
さらに、注文数を確認するときに指で数を示したり、手で示しながらレジに誘導するなど、手に“動き”があるのもとてもいい感じです。お客様からすると、とてもわかりやすいので安心感につながります。
おいしさを阻害するものを排除して、お客様の笑顔を増やす
商品や接客は及第点。しかし、整理整頓面がとても気になりました。
◎ショーケース
アイスクリームが並んだケースがくすんでいて透明感がありません。霜のせいなのか、拭き方が甘いのか…。
◎壁面カウンター
ショーケースと反対側に位置する壁面カウンターは、水場があるので作業スペースになっています。ゆえに、洗剤、スポンジ、軍手、計り、プラケースのほかトンカチなどが所狭しと置かれています。
◎レジカウンター
洗剤、ナプキン、スプーン入れ、POPなど、ここもモノがあふれています。
いずれも非常にお客様の目が行きやすいところです。特にカウンターは作業が多いため、使い勝手だけを優先してしまうとモノがあふれがちになりますが、ゴチャゴチャは禁物。見た目が悪いだけでなく、おいしさをじゃましてしまうからです。お客様の笑顔をもっともっと増やすには、整理整頓にこだわてみましょう。ポイントは、次の3点です。
●常にお客様から見られていることを意識する
●お客様に関係のないものは見せない
●見えるものはきれいに見せる
一度全部モノを取り出して、お客様目線で、見せていいもの、悪いものを整理してみるといいでしょう。
【コミュニケーションUPのポイント】
1 繁忙時間帯の「気配り役」
お客様の列ができたときは、お客様に声をかける、試食をすすめるなどの「気配り役」スタッフを、カウンターの外に1人配置しましょう。
2 「少々お待ちください」のひと言
マンツーマン接客だと目の前のお客様だけに集中してしまいがちですが、列ができたときには、待っているお客様へのひと言が大事。笑顔も忘れずに。
3 アイコンタクトで気持ちが伝わる
アイコンタクトはお客様に対してはもちろんのこと、それ以上にスタッフ同士にも重要です。特に忙しいときほど「あ・うん」の呼吸やチームワークがポイントになってくるからです。
++++++++++++