【恩師に捧げる】笑顔道を極める

<恩師に捧げる>

【笑顔道を極める】

これが肥田先生と直接話した最後の会話だ。肥田先生は、明治学院大学のゼミの恩師。マーケティング学を通し、学問の基礎と人間学を教えてくれた大恩人である。
出版するたびに、真っ先に先生の蟹江の自宅に新刊「笑顔呼吸」を送った。
しばらくして電話をすると、めちゃくちゃ喜んでくれているのを感じた。あまり感情を露わにしない先生が雄弁になり感想を語ってくれた。
やっと、僕のこだわりである「笑いと笑顔の違い」を意識して、あえて「笑顔」と言ってくれた。それが、何よりも嬉しかった。
先生からのメッセージ>
「何か、笑顔を自然な呼吸のようにする、すべはないだろうか?もしあれば、私も鏡に向かってやってみたい。自分自身に自然なメッセージを送るような感じで。それはきっとプラスになる予感がする。
心に喜びが湧くと、いつも笑顔がでるだろうか?涙が出ることもある。その違いは、何だろうか?笑顔には考えることがたくさんあるね。
こんなことを考えたこと初めてだが、門川が誰もやっていないサービスをビジネスにしたことには感心する。
『店員、社員の笑顔は利益になる』と洞察し、その教育をサービスとして成立させたことは立派だ。その呼吸のようなものを知りたい。事例的に知りたい。それを集めたら門川は新規ビジネスの経営コンサルタントになると思う。」

<追悼文として>
先生のメッセージを深く噛み締め、現在の思いを述べたいと思う。

はじめに

 言葉はその国の文化を表す。「笑顔」を辞書(広辞苑)で調べると「笑みを含んだ顔」としか出てこない。「笑み」を調べると、えむこと。笑うこと。えがおすること。「笑い」を調べると笑うこと。笑み。しか出てこない。この解説の少なさには驚いた。
笑いに「お」をつけて「お笑い」というのはなぜだろうか?
そのルーツを調べていくと神話の世界にいきついた。神を祭る神技の「御祓(おはらい)・・お笑い」からきているという説が有力である。
古くから親しまれ、広く使われている言葉に「笑う門には福来たる」がある。いつもニコニコしていて笑いが満ちている家には自然と福運がやってくると言われてきた。しかし、科学的に本当にそうなのだろうかは定かではない。

先生が言われたように、こころに喜びが湧くといつも笑顔になるのだろうか。涙が出ることもある。心は気まぐれである。笑顔の専門会社を設立し、創業35年、笑顔を研究し続けてきた。一時はマスコミのお笑いブームに乗り、面白おかしくメディアに多く取り上げられた。あれから笑いと健康についての研究も進化した。ガン、リュウマチ、アトピー、遺伝子実験などである。

どの学説も、嘘ではないが、すべての人に当てはまらない。笑えない人間はいないし、必ず笑う。しかし、人によって笑うツボが違う。テンションの高さにより笑いの強弱も違う。同じことを聞いたりすると快の笑いが変じて不快にもなる。
多くの日本人は、笑えば健康になると信じているが、ニコニコしている人が早死にしたり、無口で強面の人が長生きしたりする。その違いは、全く解明されていない。人はとても不思議な笑う動物である。

笑いと笑顔の違い

笑いを分類をすると、本能的でコントロール不可能な「不随意の笑い」と、社会的な意味合いの強い、コントロールできる「随意の笑い」分けて考えられる。

(参考文献 「人はなぜ 笑うのか」 志水彰、角辻豊、中村真 共著 講談社)

不随意の笑いは、リアル快楽の笑いとバーチャル快楽の笑いに分類できる。リアル快楽の笑いは、人体の五感を刺激し体感するもの。イメージや想像から生まれる笑いは、バーチャル快楽の笑い。
辞書に出ている「笑顔」は笑い顔であり、すべての不随意の笑いから、随意的の笑いまでを包括する総称である。

英語では、声を出して笑うのがLaugh(ラフ)、声を出さずに笑うのがSmileと区別されている。違いの決め手は声にあり、実にわかりやすい。一方、日本語ではすべての笑い顔を「笑顔」と総称している。

笑いと笑顔は違う。笑顔を学ぶ上で言葉の意味は大切である。
門川は、不随意の笑いを「笑い」とし、随意の笑いを「笑顔」と定義している。
「笑い」は本能、「笑顔」は、理念、人間関係、通じ合い、コミュニケーションの技術である。笑いは、一人でもできるが、笑顔は相手がいて初めて成り立つ。笑顔には、アイコンタクトがともなう。

自然な笑いとは?

笑いは、呼吸動作から始まる。まず、呼吸の役割を整理しよう。
赤ちゃんが笑うのはリラックスした状態で、喜怒哀楽の感情の中で特に顔面筋の動きが少ない。赤ちゃんは鼻から空気を吸い、口から母乳を吸う。これが腹式呼吸であり、お腹が満たされると眠る。このように呼吸と連動した顔の動きが笑いとなる。

人は呼吸しないと生きられない。酸素は血液で全身に運ばれ、筋肉を効率よく動かすためのエネルギーとなる。リラックスできる身体は、血中の酸素の飽和度が95%以上あり、ありすぎても問題が生じるが常に酸素に満たされている。
顔の筋肉は空気を吸い込むポンプの役割をしおり、死ぬまで休むことなく動き続ける。顔の動きは、生きる為の本能であり、顔に表情が生まれたのは、その結果である。
酸素濃度が減ると不快になる。赤ちゃんは苦しくなると大声で泣く。大きな声を出すことは、呼吸を吐きだし、新鮮な空気を吸うことにつながる。

脳と呼吸

呼吸の重要な役割は、脳の機能を維持することだ。人間の最大の弱点は、脳の温度が41度以上になると生きていけないことだ。人間は、暑さに弱い動物である。(参考文献「ざんねんないきもの事典1」 今泉忠明 監修 高橋書店」より)
鼻呼吸で脳を直接冷ます効果がある。もう一つは、血中酸素を全身に運び、筋肉にエネルギーを与えることである。

顔は脳の一部であり、重要なスイッチが顔に集中している。口を動かすと鼻の穴が大きく開き、多くの酸素を取り入れられる。生命の動きが笑い顔の原点である。顔面筋には生きるための全てが集約されており、その結果が笑いという表情につながった。

マスクと笑顔

コロナ禍が去っても日本人からマスクが取れない。マスクには細菌を予防する効果があるが、それ以上にマイナスの要素が大きい。最も大きな問題点は、マスクをすると口呼吸になりやすいことだ。口中は細菌の居心地が良く、異常繁殖する。顔面筋の動きが、マスクを使用すると減少し4分の1になる。酸素と二酸化炭素のバランスが崩れる。結果として、酸素を全身に運べなくなる。

年間4万人以上が誤嚥性肺炎で亡くなる。免疫力を高めるためにも鼻呼吸に戻すべきである。(参考文献「表情で体が変わる 笑顔呼吸」門川義彦著 総合法令出版)

自然な笑いの起源

自然な呼吸は鼻呼吸にある。赤ちゃんは鼻呼吸で生まれてくる。赤ちゃんの顔面筋は
常に動き、口角が上がると鼻の穴が開き、呼吸もしやすくなる。赤ちゃんの自然にリラックスした顔面筋の動きが快感運動であり、本能の笑いの始まりである。

赤ちゃんの笑顔は周囲の人々に、幸せホルモンを刺激し活発化させる。幸せホルモンとは、ドーパミン、セロトニン、オキシトシン、β-エンドルフィンの4種類の物質である。自然な笑いとは赤ちゃんの笑いであり、それが進化して笑顔になった。赤ちゃんの笑いに接して不快な人はいない。笑顔のできる動物は人間だけである。

スマイルスキャンの導入と課題

オムロンが開発したスマイル スキャンは、和歌山県の聾唖学校の依頼で開発したもので、目の不自由な卒業生が自分の表情を知るためのツールであった。表情を数値化して自分らしさを知ることを目的として開発した。素晴らしい開発理念に共感し、研究〜営業まで、心トキメキながら無償で応援した。しかし、マスコミの捉え方は違い、テレビでは罰ゲームや笑顔対決に使われ、その本来の目的を歪められてしまった。

数年後、アメリカのタイムズ紙が選ぶ、その年の世界で最も愚かな発明、第一位の作品としてオムロンのスマイルスキャンが表彰された。ブラックユーモアであるが、笑えない本当の話である。選考コメントは「日本人は感情をロボットにコントロールされてもいいんですか」日本人に、目的と手段を混同することなかれと言いたい。あくまでもスマイルスキャンは、自分らしさを知る道具である。

日本人は笑顔が苦手

社会人になって最初に教わるのは「仕事だから、笑顔を作りなさい!」ということだ。しかし、営業スマイルという言葉は日本人特有のものであり、他国では感情を一方的に評価したり、コントロールするような訓練はしない。常に心は自分のものである。サービスとは、自分がいいと感じたことを人にすること。

笑顔はオンリーワンであり、その人の笑顔が一番である。他人と比較して作るものではなく、評価することはセクハラ以外の何物でもない。笑顔は頑張って作る物ではなく、自然にできるものである。

終わりに  笑顔道を極める

顔の動きと呼吸の関係性、「笑顔呼吸」に気付いた時は、全身に鳥肌がたった。上野公園にある東京国立博物館の法隆寺館でのことだ。私の癒しの場所である。穏やかなたくさんの仏像を見ていると、自然に鼻呼吸になっている自分に気づいた。笑顔=鼻呼吸の発見である。
私は笑顔ビジネスをスポーツや遊びの感覚で楽しんできた。会社を創業した35年前、笑顔ビジネスは変人扱いされたが、今では笑顔のキーワードは広がった。笑顔をGoogleで検索すると2億〜3億の検索数があるほどである。

先生が顧問をしていたファッションの鈴屋に推薦で入社したことがはじまり。鈴屋で笑顔ビジネスの基礎を学び、1989年笑顔アメニティ研究所を設立、運良く時代の風に乗ることができた。鈴屋から多くの事を学んだが、その鈴屋も今はない。
私の役割も終わりに近づいてきたようだ。先生の勧める新規ビジネスの経営コンサルタントに魅力を感じない。世の中が急速に変化し、AI化、デジタル化の流れは止まらない。ロボットが人間に限りなく近づき、人間がマニュアル化され個性が失われている。そんなWEBでの研修や現場から離れたビジネスに心がワクワクしなくなった。

私は笑顔ビジネスから離れ、創業の原点に戻り、純粋に笑顔の道を歩みたい。
一人でも多くの人に笑顔の種を撒き、心のオシャレを実践し、生涯現役で『笑顔道』を極めていくことを先生に誓いたい。
先生との出会いに感謝です。長い間、ありがとうございました。
2期 門川義彦

笑顔アメニティ研究所 門川義彦







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ABOUTこの記事をかいた人

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門川義彦 株式会社笑顔アメニティ研究所 代表取締役 笑顔コンサルタント。1974年、明治学院大学経済学部卒業、大手アパレルメーカー鈴屋で地区エデュケーター、玉川高島屋店長、ファッションビジネススクール事務局長、営業本部販売ディレクターを経て、89年に笑顔コンサルタントとして独立。今までに全国の小売業、製造業、運輸業、行政・公的機関など100,000人、800社以上に笑顔研修を行う。国内経済誌紙はもとより、ロサンゼルスタイムズ紙は一面で、英国BBC放送では度々、世界で唯一人の笑顔コンサルタントとして紹介される。著書に、新刊「かんんたん笑顔呼吸」「売上がぐんぐん伸びる“笑顔”の法則」「笑顔のチカラ」「頭のいい人より感じがいい人」他、ビデオに「売上を伸ばす 門川式 笑顔のチカラ」他。TV、雑誌等メディア出演多数。・2008年~2010年 立教大学大学院ビジネスデザイン研究科兼任講師・2016年~ 2020年獨協大学 全学総合講座「笑顔のチカラ」ゲスト講師