【理念】笑顔の意識改革
自分らしさをアピールすることが、良いコミュニケーションを作り出します。
コミュニケーションは、素直に自分を表現することからはじまります。まずは、自分のもつ特徴(自分らしいスタイル)について意識してみます。その人らしさを心開いてお客さまに伝えることができるか、これに限ると思います。
昔、読んだ本で記憶に残っている本があります。
「話し言葉の科学」(サイマル出版 斉藤美津子著)の中に、郵政省で以前、簡易保険ほ勧誘員の成績優秀者3名を表彰した際の興味深いエピソードです。その時の成績優秀者3名全員が言葉に障害を持つ勧誘員だったということです。さらに、その中の二人はかなりの重度の障害でした。この事実は何を物語っているのでしょうか。
コミュニケーションは「うまく話そう」とか「格好良く伝えよう」と意識することよりも、自分らしくありのままを伝えることが大切だということです。そのためには、自分の特徴を自覚し、長所を最大限にアピールすることです。ないものねだりは、この場合は無意味です。
今ある自分の持っている長所を、自信をもって生かそうではありませんか。
お店にも独自のコミュニケーションスタイル、キャラクターが必要です。
非接触、無人化システムが進み、どこでも同じような没個性が当たり前になりました。
AIに仕事を奪われるというニュースも、いまや当たり前になり話題にもありません。こんな時代だからこそ、あなたの個性が新しいサービスの核になり、新鮮にお客さまに伝わります。
飛行機を例に考えてみましょう。飛行機の機体と操縦のマニュアルは同じでも、航空会社の違いはCA(客室乗務員)の雰囲気にはっきりと表れます。感じの良し悪しは、アイコンタクトで決まります。CAがかわす笑顔のキャッチボールが機内の空気を動かし、ハードな冷たい飛行機という空間をぬくもりで包んでいます。つまり小さな笑顔は大きなパワーを持っているのです。
バレーボールやサッカーなどのスポーツでは、得点を叩き出すアタッカーやシューターをフォローするアシストたちの動きが勝負の行方を決めます。お店においてもコミュニケーションの輪を広げるムードメーカーや名アシストが必要です。活性化のキーになる人材をスマイリストと名付けました。スマイリストは、売り場という空間でスタッフと商品、お客さまとのコミュニケーション密度を高める役割をします。それぞれの関係をフレンドリーにする潤滑油の役割です。
利益は、笑顔とサービスの主張の結果です。スマイリストが目指すサービスは、標準化されたマニュアルや守りのエチケットからは生まれません。お客さまの役に立つためには何をなすべきかという、現場に踏み込んだ攻めのサービスです。守りから攻めへのサービスへ。言葉にすると簡単ですが、実行段階においては確かなサービスの主張への意識改革は必要です。自分らしさを磨くことや「サービス」について、理念の具現化をあまり考えていないようだ。
お店のキャラクターを作るのは店長で、それを磨くのはすマイリストの仕事です。お客さまに心から喜んでいただける、お店独自のサービスフォーメーションの創造と、コミュニケーション密度を高めるためのサービス主張を強く打ち出すことが、お店を楽しく生き生きさせる決めてとなります。残念ながら今のお店を巡回すると、笑顔が少ない。店頭を歩くお客さまにも気づかない、作業に追われ、気づくのが遅い。これでは、売れないのではなく売っていない。
守りから攻めの「サービス」へ、笑顔の意識改革が急務である。