笑顔(理念)なき企業は亡びる
ここまで読んでいただいた方は、何となく笑顔のパワーがわかってきた感じがしませんか?
問題はどうすれば自然な笑顔ができるかです。
笑顔ビジネス編は、今まで本文に繰り返し出てきた大切なことが、現場でできているか振り返ってみましょう。
わかったとは、出来ること!
「笑顔って簡単にできないのですか? 難しいテクニックはいらないと書いてありましたよね」
そう、いらないです。頑張らなくてもいいんです。というと、ひたすら売り場でニコニコし始める人がいるかもしれませんが、それじゃあ3日もつか心配です。
というのも難しいテクニックはいらない代わりに本当の笑顔が自然に生まれるための「仕組みづくり」が必要だからです。小手先ではダメだということです。
仕組みづくりというのは、家づくりに例えるならば「土台」「基礎工事」とでもいうことです。最初にこれをしっかりやっていかないとどんなに立派な家を建てても倒れてしまいます。
特に会社全体で笑顔を作ろうと思ったらここをしっかり固めることです。
「仕組み作り」こそが、笑顔パワーを最大限はっきする一番の近道です。
それには、企業のトップが次の3点を大切にしているかどうかが大きなポイントになります。
1、従業員が接客にやりがいを感じるほど企業理念としてお客さまを大切にしている
2、顧客満足(CS)の前に従業員満足(ES)を考える
3、笑顔が体質になりまで継続してやり切る=サービス風土作り
それに細かいことを言えば、トップ自らが笑顔を実践することも大事なことです。
従業員には笑顔、笑顔と言いながら、その社長自身の顔が怖い。
これじゃあ、いつまでたってもいい笑顔になれっこありません。
ある大手企業から笑顔研修の依頼をいただき、その打ち合わせに社長室に入った時のことです。壁に社長の重々しい怖い顔の写真が飾られていました。
その脇に「笑顔 一番店」という書がありました。
これは、腰が抜けそうになるくらい笑えました。
本当は上に行くほど笑顔じゃないとダメなんです。アメリカでは笑顔が良くないと大統領や社長になれないそうです。それくらいスマイルが重視されています。
僕がずっと気になっているのは、百貨店やスーパーの開店時、正面入り口にずらっと偉い人が並んでお客さまを迎え入れるシーンです。だいぶ迎客の仕方は変わってきましたが、まだまだ偉い役職の人が立ってるようです。よく見ると暗かったり、無表情な顔があります。偉い人を立たせるのではなく、一番笑顔のいい人を立たせろと言いたい!