笑顔の法則⑥ 「目は心の窓」ですか
笑いは見分けることができる③
顔の中でどうしても嘘のつけないところがあります。それが「目」です。
動物は、それぞれ感覚を頼って生きています。例えば犬は臭覚に頼り、コウモリは聴覚に頼ります。そして人間は視覚に頼ります。
人間が行動を起こす際の判断基準は、目に映った情報によるところが圧倒的に大きいです。
人は視覚 83.0%、聴覚 11.0%、臭覚 3.5%、触覚 1.5%、味覚 1.0%という比率で物事を判断するといいます。
視覚視神経は脳に直接繋がっているだけけに、目は情報を取り込むだけでなく、その表情そのものが感情の微妙な変化を外部に伝えてしまうのです。私は顔は脳の一部であると捉えています。脳の自律神経の管理下で、顔の表情は美容の役割以上に身体全体に影響を及ぼします。
より厳密に言えば、目は嘘をつかないというよりは、目元の筋肉は自律神経優位に働き、目の中の瞳孔の部分が嘘をつけないのです。瞳孔の大きさを意識してコントロールできません。つまり、瞳孔の大きさが人の気分の変を素直に表してしまうと言うわけです。
コロナ禍でA Iの顔認証システムが飛躍的に進化しました。人間の目は、目の中の小さな瞳孔の変化を素早く識別するのは不可能ですが、認証システムは一瞬で識別します。AIの分野では、人間の能力をはるかに超えた進化です。
人間は、マスクをしている顔と外した顔を別人に識別しやすく、普通に勘違いします。目元だけでは分かりません。
日本人の勘違いは重症です。まだお辞儀の仕方と同じように目元だけ、マスク笑顔の練習をしている笑顔の接遇研修が多いです。
人間の場合、目元の微妙な変化に気づくのは難しく、表情を同一人物として認識するためには、マスクをとり顔全体を見せることが必要です。
アメリカの心理学者 エックハード・ヘス の面白い実験があります。
男性と女性に異なる5種類の写真を見せ、同行のサイズを測定し分析しました。写真は①赤ちゃん ②赤ちゃんを抱いた女性 ③男性のヌード ④女性のヌード ⑤風景 です。瞳孔のサイズは、男性の場合 女性のヌード写真を見た時が一番大きく変化しました。18%も拡大しました。女性の場合は、赤ちゃんの写真を見た時が一番大きくなったそうです。
ヘスによると、人の瞳孔は周囲の明るさに応じて大小するのと同じように、何かに対して積極的な感情を持つと大きくなり、消極的な感情を持った時に小さくなるそうです。突然の驚きの感情を抱くと大きくなり、嘘をついている時は同行のサイズは小さくなるのです。
さらに面白いことに、瞳孔が開いている時、大きい方が魅力的に見えるという実験もあります。赤ちゃんの目やアニメのキャラクターの目は、瞳が大きいものです。アバターや漫画の主人公は黒目が大きく、反対に黒目が小さいのは知的な役や悪役に多いです。
最近は当たり前にコンタクトを入れて、瞳の輪郭をはっきりさせ黒目を大きく見せています。人の第一印象を決める要素は、服装やメイク、ヘアースタイル、表情などいろいろありますが、その人が魅力的な人かどうか判断するには、目の輝きや眼差しも重要であると言うことです。