笑いは見分けることができる②
私も開発から営業まで長年お手伝いしてきました。笑った時の顔の形を想像してみてください。笑った時には口角が上がったり、目尻が下がったりします。スマイルスキャンでは、笑顔の表情をカメラで読み取り、笑顔の度合いに応じて0〜100パーセントの指標で表現します。
NPO法人が開発した笑い声を検出する装置です。笑い声は喉の部分が振動します。アッハ・メーターは、その振動を咽頭マイクで音を拾い、笑い声が発生した度合いを計測します。その装置では、笑い声の中に含まれる「ア」と「ハ」の数をカウントして「アッハ」という単位で表現します。
関西大学で開発した笑い測定機です。人間は大きなおかしみを伴う笑いをする時は、「横隔膜」の部分が反応します。横隔膜は筋肉でできているので、筋肉の動きを検出する「筋電計」を使います。この装置の最大の特徴は、顔や声で「作り笑い」をしても反応せず、おかしみをもった「本当の笑い」だけに反応します。「ウソの笑い」は反応しません。
個人の感情に関わることはタブーです。AIに人間が管理される暗黒の世界を連想するようです。
日本では、常に周りの人間を意識して行動し、疑いもなく笑いまでもマニュアル化して、他人と比較し表情までも100点を目指してしまう日本文化は考えられないようです。日本人はロボットですか?
象徴的な出来事がオムロンのスマイルスキャンです。アメリカのニュース雑誌「タイム」誌上で「世界最低の発明」として皮肉にも最優秀賞に選ばれました。それ以来、笑いの研究は消極的になり、面白くゲームで笑顔対決などとマスコミが話題にすることも少なくなりました。
笑顔に点数をつけたり、感情をいい悪いと比較し、正解を求めるものではないのです。大切なのは、自分らしく生きることです。
■おまけの話
訳もわからず顔を怖がらることがあります。
自分の顔がわからない生徒たちに、表情を可視化して教えてあげたい。
その想いに賛同し、無償でお手伝いしました。
オムロンスマイルスキャンの開発が進み、いろいろアドバイスしました。
企業の笑顔研修では、「仕事だから笑顔作りなさい」と笑顔度を評価して、感情を管理する方向に進んでしまいました。
彼らに作る時に注意点として語ったのは、笑顔には100点満点はありません。
感じがいいか悪いかは、スマイルスキャンの点数と比例しない。
感じ方は人それぞれ、無限の可能性があります。
聾唖学校の理念を忘れるな!
スマイルスキャンは、あくまでも感情を可視化するツールです。
自分の笑顔が世界一だと熱く語ったのに残念な結果でした。