笑顔の楽校 53
ケース34 雑貨ショップ
お客様への“ひと声”が大切です。
和を中心にした食器や雑貨、小物……女性に人気のお店ですが、「見て終わり」になりがち。
購入につながるポイントは“人の動き”です。
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SC入り口のほど近く、しかもコーナーに立地しているので、人通りが多いお店です。
趣味のいい和陶器や和雑貨が、伝統的なものから新感覚まで取り揃えられた店内は、ものすごいアイテム数にもかかわらず、ゴチャゴチャ感がありません。1アイテム1什器できれいに陳列されていて、(一番下の棚まで!)とても見やすいです。よく頑張っていると思います。
通路も1.2m以上確保されていて車椅子でも通りやすくなっています。通常、お店としては店内余すところなく並べたいところでしょうが、気配りが感じられ、非常に好感が持てますね。
3人の販売スタッフも、お会計の際にはレジから出てきてお客様に一礼してお見送り、という基本がきちんとできています。
立地のよさ、商品の魅力、スタッフのお行儀のよさ等が功を奏して、お客様は途切れることはありません。…が、意外と購入客が少ない。入店客数はそれなりにあるのですが、店内を一巡してそのまま出て行く率が高いのです。人に例えると、「美人で性格もいいけれど、意外とモテない」感じ。もったいないですね。
動いて、声をかける。
ちょっとしたことで雰囲気は変わる
大きな理由は、販売スタッフの“動きが少ない”からです。動きがないということは、お声かけもほとんどないということ。店奥のレジコーナーだけでの接客では、お店に活気が出ようがありません。
まずは次の3つを心がけるだけでも見違えるように変わると思います。
❶レジに閉じこもらない
たとえば、会計時にレジを出てお客様に一礼したついでに、店内をラウンドしてはどうでしょう? お客様にひと声かけるだけで店内の雰囲気は変わります。
お客様に自由に見ていただき選んでいただくのが“セルフセレクション”のよさですが、放ったらかしすることとは違います。“ひと声”は重要です。
また、書店やこのお店のように、棚が多いとレジからはお客様が見えにくいものです。ラウンドは万引き防止にもなります。
❷ラウンドはアイコンタクト+笑顔で
お声をかけるきっかけにちょうどいいのが、「カゴ渡し」です。特に、器を手にしたお客様には「どうぞお使いください」とお渡ししましょう。僕が某大手ファッション雑貨ショップで調査した結果によると、カゴをお渡ししただけで買い上げ点数が130%UPしました。そして、お声をかけるとき、「アイコンタクト+ニコッ」は必須です。
❸店頭でお客様とコミュニケーション
ラウンドの際、できるだけ店頭にも出ましょう。このお店は人通りの多い通路に面しています。魅力的な商品の陳列もさることながら、お客様は店頭に人の動きがあると足が止まりやすいのです。店頭でお客様とちょっとお話するだけでも効果があります。
また、店頭でちょっとした作業をしながら通路のお客様にお声をかけてみましょう。そのためにも店頭に「演出スペース」や「トライアルスペース」を設けるといいですね。
【コミュニケーションUPのポイント】
1 POPできっかけづくり
POPをきっかけにお客様から質問してもらえるよう、内容を工夫して。
2 通路のダンボール禁止
歩きにくくなると同時に、せっかくの購買意欲も失せてしまいます。
3 ロープレもおすすめ
お客様との会話バリエーションをスタッフ同士でロープレしておきましょう。アイコンタクトや笑顔の練習もぜひ忘れずに。
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