笑顔の楽校 47
ケース28 ハンドメイドコスメショップ
【スタッフもお客様も笑顔になる「仕組み」づくり】
ここに来ればみんなHAPPYになるーー。「商品力」×「笑顔になる仕組み」が見事に功を奏し、点数をつけるなら50点満点中48.5点!
きれいにディスプレイされているのは、ケーキ? フルーツ? と見まがいそうなスキンケア、ヘアケア、ソープ、入浴剤等。「フレッシュハンドメイドコスメ」と銘打ったこれらの商品は決して安くありませんが、売上げはどの店舗も順調。今、一人勝ちのコスメショップです。この会社の理念である、「お客様、社会、スタッフにとってたくさんのHAPPYをつくり出すこと」。それを見事に具現化した結果といえるでしょう。
整理整頓、接客も、僕が通常行なっている「サービス診断」でいえば、50点満点中48.5点というハイスコアです。
この強さの秘密に迫ってみましょう。
【見て楽しい、会話が楽しい】
まず店頭には、「すごい! かわいい!」とお客様が思わず立ち止まってしまう商品を配置。お客様が「え、これってなに?」と思っているタイミングで、スタッフがごく自然な笑顔でフレンドリーに声をかけてきます。
スタッフは、販売員というよりもその商品を自分が実際に使ってみてファンになった人というスタンスなので、商品知識というよりは、実感をクチコミ感覚でお客様に楽しく伝えるという雰囲気です。一つひとつの商品にドラマ性もあるので、聞く側も楽しくなります。
【楽しく試して、楽しく納得】
そして、キャスター付きの移動トライアル什器を用い、お客様の手で実際に商品をお試しいただきます。スキンシップしながら、ここでも楽しい会話が弾みます。お客様は体験することで楽しく納得してしまいます。
モノを売るのではなく、HAPPYを提案
スタッフは自社商品に惚れ込み、それをクチコミ感覚で楽しく伝え、お客様に受け入れてもらえるからHAPPY。
お客様からすると、いいタイミングでスタッフから声をかけてもらって、楽しく会話して、かわいい商品を楽しく試せて購入できるからHAPPY。
でも、どちらも笑顔になれるのは、決して偶然の賜物ではありません。まずはスタッフが笑顔になる仕組みづくりがなされていることが重要です。スタッフの笑顔が伝わり、お客様の笑顔を引き出せるのです。
その笑顔の「仕組み」とは、
①スタッフの作業効率化で笑顔UP
絞り込まれたアイテム、什器下部分がストックスペース、手書きPOPは本部で作成、キャスター付きの移動什器……これらはすべてスタッフの作業を効率化し、接客に集中できる仕組みづくりです。笑顔の量と作業量は反比例するのです。
②「見せる化」演出でお客様の笑顔UP
「1什器1アイテム1ドラマ」を徹底したきれいなディスプレイ、個性的でユーモラスな商品ネーミング等でお客様の目を引き、もっと詳しく知りたい、と思ったときに販売スタッフと会話できるので、笑顔になれるのです。
今の時代、一生懸命商品説明をしても売れません。お客様がほしいのは、モノではなくHAPPYだからです。HAPPY=笑顔。それには、笑顔の「仕組み」が不可欠です。
【コミュニケーションUPのポイント】
①閑散時間帯は前に出る
閑散時間は店頭パフォーマンスでお客様を引き込みましょう。さらに一歩奥に入っていただくきっかけが重要です。
②店頭の会話シーンを積極的に見せる
人は楽しい雰囲気に集まってきます。
通路側に顔がよく見えるように立つこと。
③お辞儀よりもアイコンタクト+笑顔
かしこまったお辞儀よりもフレンドリーな(礼儀は忘れずに)表情がお客様を惹きつけます。
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