マスク笑顔
門川義彦
マスクでも、笑顔を見せたい
■マスクでも、笑顔を見せたい。ウィズコロナの接客術
10月2日/日本経済新聞 電子版に私の意見が掲載されています。
「笑いマスク」は便利グッズですが、効果を得るためには使用上の注意が必要です。
マスコミ受けしているこの笑いマスク。この多慶屋の笑顔キャンペーンに関心があり、一ヶ月追跡リサーチしてきました。僕は、近所で昔からお得意です。
笑顔効果があったのは、笑いマスクを着用した最初の一週間でした。
販売員が歯の見えているマスクを着用すると、お客さんから声をかけられると驚いていました。刺激にはなりましたね。しかし、その後、マスク仮面が心のストレスになっています。今では、マスクも変わり、後方写真の黄色いマスクになり、お客の反応は普通です。昔の歯が見える笑いマスクは担当者以外していません。
僕は、当初よりFBで無理やり歯の見える笑い仮面を着用させるのは問題ありと提案してきました。初めてのお客受けはしましたが、二週間ほどで販売員がマンネリ化しました。笑顔の接客レベルも昔に戻ってしまいました。
心でもない表情が伝わってしまうことは、心の病につながりますよ。もっと自然に笑顔になる環境を整えるべきだと思います。全員に同じ笑い仮面のマスクを常時着用する。感情を無理やりコントロールすることは、セクハラではないのですか?僕は嫌いです。
マスク仮面は、キャンペーンとしては効果あり。やり方は要注意。
期間を決めて希望者にだけつけるべき。仕事だから笑いマスクをつけ、心を仮面で隠す。怖いですね。
追伸2
日本人の一番悪い事は、感情をマニュアル化しようとすることです。
宗教の影響かもしれません「心は形を求め、形は心をすすめる」という背景に、感情コントロールしやすい国民性を感じます。
以前、僕の指導していたオムロンがスマイルスキャンを開発しました。表情筋の動きで笑顔を評価する機械です。日本のマスコミは、笑顔対決など面白おかしく取り上げてました。
アメリカのタイム誌は、世界で最も愚かな発明として酷評されました。感情をコントロールすることは愚かだということです。感情は個性で自由であるべきです。違いがあるから個性です。
この仮面マスクの制服利用は、同じ日本人の悪しき文化を感じました。
今回リサーチし、直接何人かの販売員に話しを聞きました。
自然な感情が伝わらないことに、かなりのストレスを感じていました。
マスクの笑顔仮面は刺激的ですが、継続するのは難しいようです。笑顔は仕組みです。
顔だけ笑顔の仮面を被っても、効果はありません。多慶屋が本気で笑顔の企業を目指すのなら、今建設中の新ビル建設と合わせて、笑顔の仕組み化を図るべきだと思います。
笑顔マスクは刺激が強いだけ、社員のリバウンドが怖いです。私は、お客として期待しています。
追伸3
以下、日本経済新聞 WEB版の記事からの引用です。
■笑顔はアイコンタクトが大事
「マスク笑顔」を披露する門川義彦さん(東京都台東区)
ルミネやJR東海など企業の接客現場を指導してきた笑顔アメニティ研究所(東京都台東区)の門川義彦さん(68)は、「コロナ禍で研修が全部キャンセルになった」と話す。同時にマスク姿が「新しい日常」となり、社会から笑顔が消えてゆく危機感を持ったという。専門家として何か発信しなければと思い立ち、7月からユーチューブで笑顔の見せ方について発信を始めた。ポイントは、マスクで見えなくてもしっかりほほの筋肉を使って口角を上げること。眉や目元が緩み、自然な笑顔が生まれやすくなる。
門川さんは「マスクをするとポジティブな感情が伝わりにくい。世界に通用する本物の笑顔には何よりアイコンタクトが大事」と話す。
マスクは顔の一部になった。今まで以上に笑顔について考え、大切にする必要がある。