パワーストーンショップ

笑顔の楽校57

昨日も専門店をリサーチしましたが、販売レベルが酷すぎませんか?
販売スタッフの数が少なく、作業に追われています。店奥に引っ込み、店頭でお客さまを迎える姿勢を感じられませんでした。バーゲンシーズン突入で、ますますお店が荒れます。要注意です。

今年の小売業のトップの挨拶は、暗い話でいっぱいでした。
具体的な明るい方針が見えてくません。

今のままでは、AI時代はネットとリアルの融合が加速し、コンピュータやロボットの活用され、販売スタッフがいらなくなります。そんな時代だからこそ、笑顔が大事。

残念なのは、販売教育のロープレ大会は浸透し、コンテストは各社で工夫され演技は上手くなりましたが、現場でできていません。目的と手段がすり替えられ、ロープレ大会ごっこになっていませんか?店頭に笑顔が消えてしまっています。

日本ショッピングセンター協会のロープレ大会やルミネのルミネスト大会を作ってきた一人として危機感を感じています。

「売れないんではなく、売ってない!」

販売スタッフの仕事は素晴らしい仕事です。人間しかできないあなたの魅力を店頭で表現してください。ズバリ、店頭で笑顔のウエルカム体制を組むこと。
その思いを込め「笑顔の楽校」を続けたいと思います。

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笑顔の楽校57
ケース36 パワーストーンショップ

スタッフがとても感じがいいお店。ポイントは、「お客様に早く気づいて、ゆっくりアプローチ」していることです。作業よりもお客様を優先しましょう。

フロアを見渡した時、ひときわ照明が明るいショップに目を奪われました。お昼時の閑散時間帯にもかかわらず、お客様が途切れません。お祭りのお店を覗くようなワクワク気分で入店してみました。
パワーストーンや天然石をメインとしたアクセサリーショップ。約10坪の店内には、1点1点の商品が小さいぶん、ものすごいボリュームが陳列されていますが、とてもよく分類されているので、ゴチャゴチャ感はありません。キラキラした商品がハロゲンライトの光を受けてさらにキラキラしています。
お見事!と思ったのは、手書きのPOP。オリジナルで主張があり、読むと自然に興味が湧いてきます。「へえ〜」と思い始めたタイミングで、僕の心を見透かしたかのように、販売スタッフがフレンドリーに声かけてきてくれて、さりげなく商品説明。POPがインフォメーションの役割だけでなく、コミュニケーションの役割も果たしてくれる好例です。スタッフの説明も長くなく、初めて知ることばかりで、楽しかったです。

作業するのはなんのため?
常にお客様優先で作業

こうしたセルフセレクションのショップは、お客様に自由に見ていただくことと、放ったらかしを混同しがちなところも多いのですが、このリサーチ店は、とてもいいですね。ほか、良い点をピックアップしてみます。

●しっかりした販売体制
さほど奥行きのない店内ですが、店頭にしっかりと販売スタッフを配置して、お客様が立ち止まったら、作業している場合でも手を止めて「いらっしゃいませ」。きちんと訓練されていると思いました。
補充など作業をしていると、ついつい没頭してお客様が目に入らなくなりますが、それは、「目的」と「手段」をはき違えている証拠。作業するのは、「お客様が選びやすくする」という目的のための、あくまでも手段です。作業が目的になってはいけません。どんなときでも、作業よりお客様を優先しましょう。
お客様に完全にお尻を向けて作業に熱中してしまうと、入店に気づくのが遅れてしまいます。そして、慌てて何も考える間もなくアプローチしてしまっては、お客様の気持ちに沿うことができません。

理想は、「早く気づいて、ゆっくりアプローチ」。お客様が何に興味を示し始めているのかをわかったうえでアプローチすると、話も弾み、商品のよさも伝わりやすくなります。作業しつつ早く気づく秘策は、両足を揃えるのではなく、方足を入り口に向け、オープンスタンスにすること。体の向きが開くことで、お客様に気づきやすくなります。

●好感度大の販売スタッフ
販売スタッフは4名。10坪、閑散時間帯にしては充実しています。この4名が常にキビキビと動き、しかもニコニコ、ハキハキ。チームワークもよさそうです。いちばん素晴らしいのは、楽しそうに働いていること。商品が好きでたまらない感じが全身から漂っています。

こうした小さな商品を扱うショップは、「万引き」に頭を悩ませているはずですが、その対策には防犯カメラよりも、販売スタッフが笑顔で声かけする方がはるかに効果的です。笑顔は接客面だけでなく、ロス対策にもよいのです。

【コミュニケーションUPのポイント】

1 収納面の工夫
商品が多いのか,収納がなさ過ぎるのか。ダンボールがテーブルの下に、レジ周りにも直置きされているのが丸見えで、興ざめしてしまいます。
お客様の笑顔のためには、接客だけでなく、「環境整理」も重要なポイントですよ。

2 「作業よりもお客様優先」を徹底
基本的には守られていますが、新人さんなのか作業に没頭してお客様が目に入っていないスタッフもいました。より徹底できれば、接客面はもっともっとよくなります。

3 鏡を増やす
ネックレス等、全体のバランスを確認したい商品もあるので、小さな鏡だけでなく全身が映るサイズの鏡があるといいですね。アプローチ面でも◎

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笑顔アメニティ研究所 門川義彦







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門川義彦 株式会社笑顔アメニティ研究所 代表取締役 笑顔コンサルタント。1974年、明治学院大学経済学部卒業、大手アパレルメーカー鈴屋で地区エデュケーター、玉川高島屋店長、ファッションビジネススクール事務局長、営業本部販売ディレクターを経て、89年に笑顔コンサルタントとして独立。今までに全国の小売業、製造業、運輸業、行政・公的機関など100,000人、800社以上に笑顔研修を行う。国内経済誌紙はもとより、ロサンゼルスタイムズ紙は一面で、英国BBC放送では度々、世界で唯一人の笑顔コンサルタントとして紹介される。著書に、新刊「かんんたん笑顔呼吸」「売上がぐんぐん伸びる“笑顔”の法則」「笑顔のチカラ」「頭のいい人より感じがいい人」他、ビデオに「売上を伸ばす 門川式 笑顔のチカラ」他。TV、雑誌等メディア出演多数。・2008年~2010年 立教大学大学院ビジネスデザイン研究科兼任講師・2016年~ 2020年獨協大学 全学総合講座「笑顔のチカラ」ゲスト講師