笑顔の楽校44
ケース25 ベーカリー&カフェ
お客様とのコミュニケーションのきっかけづくりを大切に
焼きたてパンを隣接のカフェでいただけるお店。でもお昼どきだというのに、カフェは閑散ムード。パンはとてもおいしそうなのに……なぜ?
SC入口の真ん前に位置する、けっこう大型のベーカリー&カフェ。焼きたてパンはもちろん、スープやサラダ、パスタ等の軽食もいただけるカフェが隣接しているのは、大きな強みです。
まずベーカリーを見てみましょう。
◎おいしさの世界観を演出
お店正面にパンの大きな焼き釜。重厚な什器類。そして、店長さんは真っ白なコスチュームにパン型帽子、厨房のスタッフは白いベレー帽……おいしいパンの世界観が演出されています。
◎好感が持てる接客
スタッフは4名(レジとラウンド半数ずつ)、それぞれ真顔が穏やかで好感が持てます。店長さんはセンターでお客様に声かけ、スタッフもお店前方まで出て来て声かけしています。とてもいいですね。
一方、隣に横長くつながっているカフェのほうは……
◎お店の存在感が希薄
レジカウンターが少し奥にあるせいか、通路側からは中の様子がわかりにくくなっています。スタッフの姿や声も感じられず(接客やラウンドのシーンも見えないため)、最初はいるのかいないのかもまったくわかりませんでした。
おいしさや楽しさを醸し出すものがほとんどありません。広い店内は、お昼時だというのにお客様もまばらでした。
お客様とのコミュニケーションで
カフェの存在感を出していく
というわけで、今回は、カフェのよさをいかに打ち出すか、に絞って考えてみます。
<改善点>
❶通路側は、大事な「ウェルカムゾーン」
まず、スタッフはレジカウンターよりも前、通路側に出てきて、お客様にお声をかけましょう。
拭き掃除をしながら、POPの位置を直しながら等、「〜〜しながら」お声をかけるととても自然です。
❷質問をきっかけにコミュニケーションする
カフェの前に立った時、最初に目に飛び込んできたのは、「パンの食べ放題とサラダバーは終わりました」というPOP。この告知は、以前あったサービスがなくなったことでお客様から質問されることが多いため貼り出しているのでしょうが、実はとてももったいない。
なぜならば、「聞かれる」という、せっかくのコミュニケーションのきっかけを逃すことになってしまうからです。
❸「試食」をコミュニケーションづくりに生かす
パンの食べ放題はもうやめてしまったようですが、それならば、せめて試食を積極的に取り入れてはどうでしょう。
その場合、ただパンを置いておくのではなく、ラウンドして一人ひとりのお客様と会話しながらおすすめするのが鉄則。きっと会話の幅も広がって、カフェの雰囲気がぐんと明るくなるはずです。特に閑散時間帯がおすすめです。
【コミュニケーションUPのポイント】
1 おいしさを盛り上げるひと工夫
たとえば、パン型の帽子姿ベーカリーの店長さんがカフェに焼きたての試食を運んできて、簡単な商品説明をしながら切り分けてお客様へ。子どもたちの人気の的になりそうです。
2 店頭の演出スペースをイキイキと
カフェの横にテーブルが2つ置いてあるだけの殺風景なスペース。季節ごとにクロスや花を変えるだけでも、お客様の目を引きそうです。
3 POPや額をきれいに見せる
絵の額が曲がっていたり、POPがはがれかかっている光景は、パンのおいしさを損ねます。
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