笑顔の楽校 56
ケース35 カジュアルファッションショップ
笑顔と笑声でベテランならではの接客を
年齢がちょっと上の販売スタッフは、接客上手でいい感じの人が多いのに、“見た目印象”で損しがち。動きや表情のなさがその原因です。
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今回のリサーチ店は、半世紀以上の歴史をもつ世界的に有名なカジュアルブランド。看板商品のシューズをはじめ、レディス、メンズのアパレルや小物アイテムも充実、トータルファッションのお店です。
メインのお客様は若い方というよりも少し上の世代でしょう。販売スタッフもそれに合わせ、3人とも50代前後のようにお見受けしました。
そういえば、SCでは飲食、ファッションともに、やや上の年代の販売スタッフも活躍しています。若い人とはまた違った“味”があり、売場の雰囲気がなごみますね。さらに個人的にいえば、年齢的に親近感を感じるので、エールを送りたい気分です。
このお店のスタッフの皆さんは、「商品のよさをしっかり接客して伝えていく」という意識が強いのでしょう、店頭で作業しながらお声かけができていて、迎え入れ体制がきちんとしています。そして、物腰がやわらかく、気さくで、あったかい感じが伝わってきます。
見た目印象も“いい感じ”になる
3つのコツ
が、この年代の方は、「話してみると感じがいいのに、見た目印象が重い」という、接客上やや不利な点もあります。
「重い」というのは、言い換えると「元気がない」「もたもたした感じ」。理由は、動きや表情が少ないためです。見た目印象、つまり「外面」で損しているのは否めません。
そこで提案したいのは次の3つです。
❶口角を上げるクセをつける
年齢とともに自然と口角が下がってきて、覇気がないように見えたり、近寄りがたくなってしまいます。特に真顔のときは「へ」の字になりがちですから要注意。意識して口角をキュッと上げましょう。ラッキー、ハッピー、大好き、うれしい、かわいいなど、語尾が「イ」の言葉を発声すると口角が上がりやすくなります。歯も見せるようにするとさらに顔に動きが出ます。
❷声を出す
声が出ていないと、どうしても重々しい雰囲気になってしまいます。お声かけも、笑顔で口角を上げ、大きな声で明るくしっかり言うと、声も笑顔になります。
❸テンションを上げる
ナチュラルな笑顔に勝るものはありません。心からの笑顔になるには、テンションを上げることが必要。その一番の近道は「ハイ」と大きな声で繰り返すことです。「ハイ」が気持ちよく言える人はみんなポジティブで自然な笑顔です。
特に閑散時間帯は若いスタッフの3倍くらいのテンションを目指し、口角を上げ、明るい声でお声かけしましょう。この3つを日々心がけるだけで、表情だけでなく声も感じよくなるはず。朝礼で習慣化しておくことをおすすめします。
リサーチ日はSALEのPOPにお客様が集まっている印象でしたが、理想は、ベテランならではの「感じのよさ」やコーディネート力(会話+鏡)接客力で勝負していきたいものです。
【コミュニケーションUPのポイント】
1 店頭に鏡を置く
入店していただくには「楽しい雰囲気」が見えることが大切。お客様と楽しくお話している様子を自然に店頭で展開するには、コーディネートのための鏡が必須。ウエルカムステージの演出。
2 手を組まない
手を前に組むことをかしこまった丁寧なことだと思い込んでいませんか? 実はお客様から一番敬遠されるポーズです。
また、後ろ手に組むのも、偉そうに見えてしまうので禁物。
3 次の来店につなげるひとこと
購入に至らなかったお客様にもきちんと丁寧にお声をかけてお見送りを。
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