アイコンタクトのない笑顔は、ただの笑い
顔の中で、嘘のつけないところがあります。それが目です。
嫌いな人には、無意識に目をそむけたり、愛し合っている二人はいつまでも目を見つめ合い、愛を確かめ合っています。
人間は、目の動物です。犬は臭覚、コウモリは聴覚、そして、人は視覚です。視覚 83,0% 聴覚 11,0% 臭覚 3,5% 触覚 1,5% 味覚 1,0% という比率だそうです。圧倒的に目に映った情報から判断します。しかも、人間の視覚神経は脳に直接つながり、目の表情は感情の微妙な変化を伝えます。
笑顔の教育は、アイコンタクトの訓練から始めます。アイコンタクトとは、お互いに目を見て気持ちを伝え合うことです。アイコンタクトは、コミュニケーションの本能であり技術です。技術ですから誰でも訓練すればうまくなれます。しかし、日本人は苦手なようです。欧米人に比べ相手の目を見て話したり、聞いたりする時間は半分しかありません。
アイコンタクトを指導する時によく誤解されることは、「相手の目を見る」ことをガン付けたり、じろじろ見つづけて不快感を与えることだという解釈です。はじめはちょっぴり恥ずかしいですが、たった0,5秒の溜めが笑顔の心を伝えるのです。笑ってごまかしてはいけません。目は心の窓です。
あるテレビ局のディレクターがサッカー選手のアイコンタクトの時間を調べてくれました。だいたい0,5秒でパスをつないでいました。サッカーの世界では、アイコンタクトが下手だと始めの一歩が遅くなり、ダッシュができないそうです。
ストレスがいっぱいの時代だからこそ、素直な気持ちを伝えることが大切になってきました。アイコンタクトなしに笑顔は生まれません。どんなに素晴らしい笑顔でも、アイコンタクトのない笑顔はただの笑いです。