笑顔の楽校 40
ケース21 パン&スイーツショップ
お客様視点で美味しさを伝える。
おしゃれな店頭から漂ってくる焼きたてのいい香り、厨房での手作りシーン……。通行客のだれもが目も心も誘われるお店です。
僕はこのお店のファンです。特に看板商品のチョコスイーツが大好きで、銀座店では1時間以上行列して購入したほど。だからこのSCで見つけた時は本当にうれしくて、たくさん買って帰りました。
このお店の魅力は、「おいしそう!」と思わずにいられない点がいくつもあることです。
◎通るだけでおいしそう!
1階のいちばん人通りのあるコーナーに出店。焼きたてのいい香りが通行客の購買欲をくすぐります。
◎店頭デザインがおいしそう!
カラーコントロールが効いていて、什器もナチュラル。さらに、陳列も見やすく選びやすい。とても感じがいいです。
◎工程がおいしそう!
工房がガラス張りなので、手作り工程を間近で見ることができます。
◎スタッフの表情もおいしそう!
販売スタッフはいい笑顔の逸材ぞろい。工房のスタッフもキビキビと楽しそうに動いています。スタッフの表情からもおいしさが伝わってきます。
必要なのは、
お客様の視点での「気づき」
……とかなり高得点ですが、もっとよくなる可能性がたくさんあります。ポイントは、「お客様視点」で見ることです。
<改善点>
❶見せるならきれいに見せる
せっかく「見せる」工房になっているのに、ガラスの汚れが一目瞭然。レジカウンターはおしゃれなのに、その奥のガラス越しに見える工房内部が少々雑然としています。これでは、おいしさが損なわれてしまいますね。
❷もっとお客様に近づく、声をかける
お店からいい香りが漂うため、お客様は思わず陳列ケースのパンに目を奪われながら通行しています。一人ひとりに声かけて試食をしてもらったら(特に閑散時間帯)効果絶大のはず…なのに、試食はぽつんと置かれているだけです。この人に食べてほしい!と思って声かけるのが試食、置きっぱなしはエサでしかありません。もっと積極的にお客様に近づいていきましょう。
また、レジスタッフもお客様が目の前にいらして初めて「いらっしゃいませ」ですが、これでは遅いんです。お客様のほうにからだを向けた体勢をとると、もっと早くお客様に気づきます。
❸表情、言葉、動作を大きく
パンを並べに店頭に出て来たスタッフは帽子&マスクで顔の3分の2が隠れ、目元は4センチくらいしか見えません。お客様に笑顔が伝わりにくいため、おいしさや楽しさをアピールするにはかなり不利であることを自覚して、テンションを3倍アップさせることが必要です。
できれば、接客時はマスクをはずすとよいのですが…。
【コミュニケーションUPのポイント】
1 お店を外から見てみる
外から見る=お客様の視点でチェックしてみるということ。照明の不具合、掲示ポスターの曲がりなど、わずかなことでも見逃さないように。
2 試食はひと言プラスで盛り上げる
気が向いた時に、ではなく、常時どんどん試食してもらいましょう。特に閑散時間は積極的に、が原則。お客様一人ひとりに「熱々です」「新商品です」等、言葉を添えておすすめします。
3 テンションアップに「ハッピー体操」
マスクで顔の大半が隠れてしまい、表情がわかりにくいのは、接客上の大きなハンディ。朝礼等で「ハッピー体操」でテンションアッップを図りましょう。
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